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間取り図


建築士に依頼したけど・・・・ ~匙をなげられた

Blueprint

さて、前回に続いて、もう少しリノベーションの経緯のお話。首都圏に住むことになり、団地住まいの決断をした訳ですが、リノベをどのように行うかのスキーム作りを考えなければなりません。家づくりの場合、一般的には、ホームメーカー、工務店、建築士のいずれかに依頼する形になります。リノベーションの場合は工務店か建築士ですね。ネットを色々調べると、双方に利点・欠点がありそうです。例えば、建築士に依頼する利点としては「レベルの高いリフォーム」になるそうです。

建築士(設計事務所)に依頼することで、一般的にはレベルの高いリフォームになると思います。依頼者の要望を聞き、予算やマンションの構造、法令の制限などの条件のもとで、一番よいメニューを示してくれる専門家が建築士だからです。また、工事の品質が確保できます。
-http://gentosha-go.com/articles/-/8078

って、リフォームの「レベル」って何だろう。笑

まぁ、だいたいネットの情報なんて、そんなもので殆ど参考になりません。何も参考になる情報が無いまま、ただ漠然と「工務店に頼むよりは、オシャレになりそうだから」と、建築士に依頼する事にしました。次に、どの建築士に依頼するかを考えなければなりません。Google先生に聞いて探す訳ですが、どの建築士もみんな素敵なポートフォリオをWebに上げていて、非常に迷います。

今回のリノベーションは、すでに購入済みの団地の一室のリノベーションで、しかも、その部屋は、実家に帰る時の仮の住まいとしか使っていない部屋でしたので、実質空き部屋。スケルトンにまで解体しても全く問題なく、工事のペースも気にする必要が無いという、ある意味楽な状況でした。

しかし、ここで一つ問題が発生しました。設計を考えようというタイミングで、なんと一年間のフランス赴任が決定。10月から翌年9月までフランス滞在で、帰国後半年後の4月から、新しい家に住むというスケジュールです。これは出国前に建築士を決めなければならないと、夏休みに何人か建築士をピックアップ。その内のお一人に妻と会いに行ったのですが、同世代で話もよく聞いてくれそうな方でして、依頼後直ぐに海外にいってしまうという変なスケジュールにも関わらず、問題無いと前向きな回答を頂いたので、その場で即決しました。

今にして考えてみると、正直なところ、建築士を誰にするかなんて、それ程、重要とは考えていなかったのかもしれません。だって「住みたい部屋のイメージ」は私の頭の中にある訳で、それを図面上に線を描いてくれれば良い訳です。こう書くと、設計を生業としている方にとってはお気を害されるかもしれませんが、まぁ、この私の考えが後々「設計士が匙を投げる」という大問題を引き起こすことになります。ただ、この時点では、ネットの情報に流されて「建築士に頼めば、自分の好きなように家づくりができる」と考えていました。

という訳で、渡仏直前に建築士と契約を交わしました。一年間の期間が決まっている海外赴任ですので、その間、メールでやりとりしつつ設計を進めてもらい、帰国後から入居までの半年間で一気に仕上げようという計画でした。

我が家の設計フェーズ

[おことわり] 結局、建築士が契約を投げ出してしまったので、このブログでは、なんとなく悪く書いてしまいがちですが、一方的に非難する事は避けたいのと、顛末はきちんと書いておきたいのとで、どこの設計事務所かはここでは書きません。その建築士の作品は非常に素晴らしく、また、匙を投げられた原因が100%建築士にあるのかというと、そうではなく、おそらく施主としての私の方にも幾分かはあると考えています。

さて、フランス滞在中にメールで建築士とやり取りする事になっていたのですが、二回程やりとりした後、こちらの要望を盛り込んだ図面書くのでしばしお待ちくださいというまま、無連絡の期間が六か月も。さすがにしびれを切らして、こちらから連絡したものの、契約前に見せた、こちらのデザイン案を、契約後、もう帰国まで二か月という段階で、いまさら「それは出来ない」「お勧めしない」と言いいだす始末。さすがにこれにはカチンと来ました。

渡仏前、建築士に最初にお会いした時に、私達の家のプランという事で24ページからなるパワーポイントのプレゼンテーションスライドを持っていきました。そこで、最大のコンセプトにしていたのが、ロフトベッドでした。子供達だけでなく、大人のベッドもロフトベッドです。50平米の団地に、子供もいる家族が住む事を考えると、最大の懸案事項は収納です。しかし、収納を作れば、当然居住スペースが減ります。そこで、大人のベッドをキングサイズかクイーンサイズのロフトベッドにして、下を全て収納にするというアイデアから、このリノベーションを開始しました。その時に建築士に見せたスライドです。

主寝室のコンセプト1

リノベ前の間取りをベースに考えるとこんな感じでした。図の上側が玄関で、元々この部屋は玄関からアクセスします。上からアクセスして、しかもロフトベッドに寝るとなると、通路が嵩張ります。そこで下のPlanBでお願いする事にしました。

主寝室のコンセプト2

この図のように、主寝室の右側はLDKです。こちらに主寝室の入り口を作るPlanBだと、通路は短くなり、面積をとりません。なので、この案でお願いできないかと依頼し、快諾してくれたため、契約を結びました。建築士が設計図にしたものがこれです。

ベッドルーム当初案平面図 ベッドルーム当初案立面図

最初に私達がプレゼンした通り、寝室の床面を下げる事によって、ロフトベッドにそれなりの天井までの空間を保ちつつ、下部の収納部分の容量を大きくとるデザインを描いてくれました。ところが、色々やり取りしているうちに、こちらの方がお勧めだと別の案が出てきました。

ベッドルーム改悪案平面図

つまり、ベッドは床において、端を床から天井までの収納にする案です。確かに、ロフトベッドよりは快適に寝れるかもしれません。ただ、そんなのは、すでに検討済みで、その上で「快適性を犠牲にしても、納戸のように何でも放り込める、ベッド下収納を作ろう」と決定した所から、この話が始まっているので、半年間の音沙汰が無い状態を心配して、こちらから連絡したら、この案が出て来た時には、少々びっくりしました。しかも立面図がなんともおざなりでして、、

ベッドルーム改悪案立面図

『フランス人は10着しか服を持たない』という本が流行りましたが、そのフランスに居たせいなのかもしれませんが、クローゼットが欲しいんじゃないんだよ!!納戸が欲しいんだよ!!と叫びたくなりました。(まぁ、もちろん、この図はおざなりに「とりあえず収納だよ~」って事で描いただけで、別に、すべてをクローゼットで使えという意味ではないでしょうけど)

私、色々とフィードバックをしていたのですが、なんとなく建築士さんのアイデアを立てつつも、自分の思い描いた家にするために、お願いする所はお願いする為、メールの文面を慎重に考えたり、少し疲れてきてしまいました。おそらく設計士も、うるさい施主だなぁと疲れていたと思います。

例えば、フランスで素敵な絵を買ったので、壁際にピクチャーレールを付けてくださいと言ったら、設計図に180弱の高さの所に壁付けのピクチャーレールを描いて来たりするんですよ。そんな所からワイヤーぶら下げて、絵を掛けたら、絵が目線の遥か下になってしまいますよね。普通、そういう事は建築士が検討すべき内容だと思うし、何か理由があって低い所に配置したのなら、説明があってしかるべきなんですが、こちらの、この手のフィードバックに対して、図面が更新されない日々が続いていまして、殆どが最後まで反映されませんでした。

元々、施工は切り離して、建築士には、設計と監理のみをお願いしていました。しかも施工には工務店を通さず、直接職人に依頼するという方法を考えていました。なんで、そんな事ができるかというと、父が、一級施工管理技士だからでして、長年建設会社に勤めて腕の良い職人さんと沢山繋がりがあったので、工務店は必要ありませんでした。ちなみに、両親共に二級建築士でもあるので、設計もできるのですが、スケルトンリフォームの経験豊かな方に頼む方がよいかなぁという事で、今回の建築士に依頼しました。

匙は投げられた!

主寝室の新プランは、施主としては絶対に採用したくない、検討済みのアイデアだったのですが、それはそれで『暮らしやすい』アイデアだとは思います、ですが、帰国も迫り、設計を固めなくてはならない段階においても、色々とできない事が増えてきました。下引き換気扇ができない(まぁこれはしょうがない)。子供部屋の机を使ってベッドに上がる『匠の』階段もできない(これは大工さんが簡単につくってくれた)、電気配線関連も全然決まっていない(これは私の専門と近いので問題は無いけど)、私の父(建築士ですよ)なんかは、最初のパワーポイントのスライドをそのまま設計図にしただけじゃん!とお怒りの模様。私も、大学教員という職業柄、「できない」というには「できる可能性をつぶしたのか?」という事が気になり、色々と質問返しをしてしまったのですが、それも悪かったのかもしれません。普通はどうなんでしょう?建築士に言われたらハイハイと聞くもんなんでしょうか。だとしたらちょっと悪い客だったかもしれません。妻にもよく怒られますが、どうにも大学で学生と研究討議をしているかのように、議論してしまうのは、悪い癖ですね。

帰国前に、解体工事を先行して始め、帰国と同時に、設計の細かい所を詰め始めたのですが、なにやら、この時点においても、建築士さんは、別件で忙しく、フランス滞在中に質問したことやお願いした事が摘み上がったまま。当初、フランス滞在中に月一ぐらいでメールでやりとりして、設計を固め、帰国後素材等を決定し、本契約して着工、三月初めに完成という予定だったのですが、間に合うのか不安に。そんな裏で、父がどんどんと施工を進めてしまうもんだから、レスポンスの悪い建築士とせっかちな父の間に挟まれて、ぐったりでした。

本契約の書類を交わす日の少し前に、建築士から「監理料を値引きするから、ここまでで監理業務は終了としたい」との連絡が。いやいやいや、設計図もきちんと仕上がっていないのに、それは無いだろう。こちらの、これまでに出した要望や、建築士から問い合わせに回答した事項が反映されていないどころか、炭出し図と設計図でサイズが異なる所がある始末。

これは完全に、この仕事のやる気を失っているなというのが見え見えでした。建築士のような頭脳労働者にとってモチベーションが一番大事だと思います。「プロなんだから」と憤ったところで何も変わる訳で無いし、モチベーションを失った頭脳労働者と仕事をするの程、非生産的な事はないので、これはもうOKするしかない訳ですが、それでも、設計・監理料を払う訳ですから、少なくとも設計に関しては完璧にしてもらいたいと思いました。そこで「承知したけど、まだ反映されていない所を全て反映させた設計図を持ってきてください」と頼みました。

そしたら「費用は一切要らないので、契約を破棄させてくれ」という旨の返答が。

かくして、依頼していた建築士に匙をなげられました。

という訳でして、今回は、すこしダークサイドのブログ記事になってしまいました。このような顛末で始まったリノベーションが、このせいで、いや、このおかげで、その後の工程は、それこそビスひとつまで、自分で決めて施工を進める事が出来ました。それでセンスが良いものができるか、そうでないかは、今後の記事を期待していただくとして、次回以降は、その後の最終的なデザインと工事の進捗を順を追って書いていきます。

無理難題かなぁ?と思いつつお願いしても、いとも簡単に作ってくれる大工さん、フランスから持って帰った、ハンスグローエドンブラハの水栓を付けてもらうという難題に応えてくれた水道屋さん、家庭用レベルではないネット配線や複雑な電灯線をぱぱっとやってくれる電気屋さん、真っ白い壁を完璧仕上げてくれたペンキ屋さん、そして、この後、工事に入る左官屋さんとタイル屋さん。直接、職人さんに依頼して、やりとりする事で、家づくりがより身近に感じられます。ちょっと遠回りしましたが、自分の思い描いた家を建てるのに最適なスキームはこれだったのか!

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